GO!GO!冒険ING
    
 (ゴー!ゴー!ぼうけんアイエヌジー

 このページでは、現在進行中の「家族の冒険野宿旅」について、随時報告していきたいと思います。
まずは、2001年5月3日から2004年5月4日まで、まる3年間をかけた「本州一周水族館めぐりの自転車旅」から、、、。

【ことの始まり】
 「♪チャリラリラ〜ンのコニャニャチワ」と歌いながらチャリンコをこぐバカボン親父ならぬバンダナ親父。必死であとにつづくジャリチャリ数台。車から声援おくる母親モモ、、、。めざすは日本一周水族館めぐりのスタンプラリーなのダ。
 きっかけは2001年GWの自転車旅。どこか気持ちよ〜くチャリで走れるところがないかと日本地図をながめていたら、鹿島灘と九十九里の海沿いにまっすぐな国道があって、いかにも快適なサイクリングコースに見えた。その時は連休前夜であったが、行き先が決まると翌日まで待てない。さっそく車にママチャリとチャイルドキャリア、ジャリチャリ2台を積んで茨城県大洗へと出かけた。
 GW初日はあいにくの雨。時間つぶしに大洗水族館で子どもを遊ばせた。翌朝、水族館前を出発。鹿島灘と九十九里の平坦な道を快調に走り、3日間かけて千葉の鴨川シーワールドまで走った(走行距離約200キロ)。こりゃなかなか楽チンだ。こんな感じで海沿いを走りながら水族館で子どもを遊ばせて日本一周したら面白いかもしれない。・・・これが悪魔のひらめき。苦難のチャリ旅がスタートした。
 いったい日本には水族館がいくつあるのか、図書館で調べてみた。「日本博物館総覧」(大堀哲編著、1997年、東京堂出版)の中からリストアップすると、驚いたことに「水族」の表示がある博物館は全国に109カ所もある。陸続きで行ける本州だけでも78カ所という数であった。水族館だから海沿いにばかりあるのかと思ったら、埼玉や栃木など内陸の県にも海水水族館がある。この総覧は律儀にも大学の理学部附属実験所や河川水処理場の付属施設まで載せている。面白いところでは、築地の魚市場にある「おさかな普及センター資料館」とか、横浜の市立小学校附属の海水水族館なども載っていた。淡水魚だけの水族館はもちろんだが、亀だけやサンショウウオだけを集めた単品水族館もある。なかには「魚のいない水族館」というのまであって、いったいどのような水族館なのか興味をそそられる。ひとくちに水族館といっても奥が深いのだ。
 いくら何でも、これらすべてをまわることはできない。「すべての水族館」という目標をさげて「おもな水族館」にした。ターゲットを約半分の41カ所にしぼり、とりあえず本州一周のチャリ旅がスタートした。
 この旅には長男長女は「くだらない」と言って参加していない。もちろん高齢者たちもパス。夫婦と下3人の子だけの企画である。最初はキャリアに乗っていた四男も3回目の旅からチャリデビュー。親父はキャリアをはずして、ママチャリからMTBに乗り換えた。しかし日本は小さな国といっても、人力で一周するのは大変だ。山越えもひんぱんにある。思いつきで始まったこの旅、いつになったら完結するのか?先はまったく見えない。

全国水族館リストはここをクリック

チャリ旅進行表

   日  程  出発地・到着地  入館した水族館 走行距離
2001.5.3.
     〜5.6.
(発)茨城県大洗町
(着)千葉県鴨川市
大洗水族館
鴨川シーワールド
 205km
2001.5.12.
     〜5.13.
(発)横浜市金沢区
(着)神奈川県藤沢市
八景島シーパラダイス
油壺マリンパーク
江ノ島水族館
  70km
2001.9.22.
     〜9.23.
(発)新潟県新潟市
(着)富山県魚津市
マリンピア日本海
寺泊町水族博物館
上越市立水族博物館
魚津水族館
 218km
2001.11.23.
    〜11.24.
(発)愛知県名古屋市
(着)三重県尾鷲市
名古屋港水族館
二見シーパラダイス
鳥羽水族館
 216km
2002.1.12.
     〜1.13.
(発)三重県尾鷲市
(着)和歌山県印南町
(廃館)熊野淡水熱帯魚館
京都大学白浜水族館
 209km
2002.4.13.
    〜4.14.
(発)千葉県鴨川市
(着)東京都江戸川区
(おまけ)マザー牧場
葛西臨海水族園
 110km
2002.4.27.
    〜4.28.
(発)東京都江戸川区
(着)横浜市金沢区
しながわ水族館   54km
2002.5.3.
    〜5.6.
(発)新潟県新潟市
(着)青森県岩崎村
(廃館)瀬波水族館
(廃館)鼠ヶ関水族館
加茂水族館
男鹿水族館
 413km
2002.9.21.
    〜9.23.
(発)富山県魚津市
(着)福井県武生市
のとじま水族館
(廃館)金沢水族館
越前松島水族館
 299km
10 2002.10.12.
    〜10.14.
(発)青森県岩崎村
(着)岩手県久慈市
浅虫水族館  269km
11 2003.1.11.
    〜1.13
(発)神奈川県藤沢市
(着)静岡県富士市
下田海中水族館
伊豆三津シーパラダイス
淡島マリンパーク
(おまけ)伊豆バイオパーク
 229km
12 2003.3.21.
    〜3.23.
(発)静岡県富士市
(着)愛知県名古屋市
東海大海洋科学博物館
蒲郡市竹島水族館
碧南海浜水族館
 264km
13 2003.3.27.
    〜3.31.
(発)広島県広島市
(着)鳥取県米子市
(おまけ)広島原爆資料館
宮島水族館
下関市立水族館海響館
しまね海洋館アクアス
 561km
14 2003.5.3.
     〜5.5.
(発)鳥取県米子市
(着)福井県武生市
城崎マリンワールド
丹後魚っ知館
 374km
15 2003.9.13.
    〜9.15.
(発)岩手県久慈市
(着)宮城県高清水町
もぐらんぴあ
(おまけ)宮沢賢治記念館
( 〃 )童話村、イーハトーブ館
 268km
16 2003.11.1.
    〜11.3.
(発)和歌山県印南町
(着)兵庫県神戸市
和歌山県立自然博物館
海遊館
神戸市立須磨海浜水族園
 194km
17 2003.11.22.
   〜11.24.
(発)兵庫県神戸市
(着)広島県広島市
姫路市立水族館
玉野海洋博物館
笠岡市立カブトガニ博物館
(廃館)フローティングアイランド水族園
 371km
18 2004.5.1.
    〜5.4.
(発)宮城県高清水町
(着)茨城県大洗町
松島水族館
アクアマリンふくしま
アクアワールド大洗
 332km
  53日間  ★本州一周★  (見学水族館数) 41館 4656km

イルカとあくしゅ

水族館のイルカショーなどには、子ども参加のプログラムもある。
「イルカと握手」「アシカと輪投げをしよう」「調教師になって命令してみよう」など、いろいろ。
積極的に手をあげる一家の子どもたちは、舞台にあがる機会も多い。
指名されるコツは、 
 @手を上げるアクションを大きくする。
 A目立つ服装(色など)をする。
 B最前列ではないが、前列中央付近に陣取る。
 C絶対に舞台にあがるのだ!という決意を見せる。
さぁ、あなたもイルカと友だちになろう!
(左の写真は下田海中水族館、2002年冬)

【そしてハッピーエンド】
 これまで様々な野宿旅に挑戦してきた私たちだが、単発的なものではなく長期間にわたる断続的な旅は初めての経験だった。連休前夜に車にチャリを積んで中継点まで走り、数日間めいっぱいチャリをこいで、また疲れた体で運転して帰宅し、翌朝からの仕事にむかう。山岳や離島、海外など辺境地の派手さはなかったが、それはそれでかなり「サバイバル」な旅であった。
 同行した子どもたちも徐々に成長し、出発から3年たった2004年のGWには、中2、中1、小4になっていた。それぞれ部活や友人関係などを大事にする年齢になってきて、夫婦と行動を共にするのも、これが最後の機会かな、と思えた。「私たちらしい家族旅ももうすぐ転機をむかえる、、、。」のんびりとチャリをこぐ、というより、何かに急かされるようにペダルを踏んだ日々だった。ふりかえってみると、計53日間、41の水族館をつないで、走行距離は4656kmを数えた。
 そして走りながら自転車の上から見えたもの・・・それは素晴らしい日本の自然だった。これは私たちにとって新しい発見だ。アフリカやアラスカやシベリアや北欧、またオーストラリアやパラオ、、、大自然をもとめて世界各地を旅してきたけれど、こんなに豊かな自然をもった国はほかにない!とさえ感じるほどだった。アフリカから帰ったあとに通った東北の山道では、おびただしい生き物の気配を感じた。それはライオンやゾウなどの大型生物ではなく、おびただしい数の地ねずみや小さな昆虫の類がうごめく圧倒的に生々しい気配なのだ。見渡すかぎりの草原や砂漠ではなく、むせ返るような植物の息吹を感じさせる深い森、、、これこそが私たちの求めていた大自然ではなかったろうか。また、パラオのお魚天国のような海にもぐって帰国した直後、国道から見下ろした伊豆の海、、、その透明感はパラオ以上と感じたのは、目の錯覚だったのだろうか。
 山道や海岸線をぬけると青々とした田園風景が広がる。きちんと区画された無駄のない田や畑は、勤勉な日本人の性格をよく物語っていて、それもまた他の国では見られないものだ。日曜日もGWも、朝5時過ぎにはもう農家の人たちは働いていた。私はもともと農家の出ではないが、都会の片隅で周囲を隙間なく建物でおおわれて暮らし、つり革にぶら下がって居眠りしながら通勤している者たちにとって、それはなんと郷愁にみちあふれた美しい光景だろうか、と思った。
 と同時に、そうした日本の美しい自然をダムや干拓や都市化で壊す行政に対する、また歴史の中で累々と積み重ねてきた農業を工業製品の輸出と引きかえに壊そうとする行政に対する、強い怒りも感じた。
 四方を海に囲まれた山々が形づくる小国「日本」。豊かな森ときれいな水が流れる自然の宝庫「日本」。その狭間にちょっとだけある平地を長い年月かけて耕し、肥沃な土壌をつくったわれわれの祖先。今、私たちがしなければならないのは、そうした日本の貴重な遺産を守り、受け継ぎ、次代に手渡していくことではないか、と思う。
 さて、スタートした2001年5月4日からちょうど3年後の2004年5月4日、私たち5人は(最後の旅だけ同行したタイ人兄妹とともに)茨城県大洗に到着した。出発当時の「大洗水族館」は全館リニューアルし、「アクアワールド大洗」となっていた。館長さんをはじめ、職員の方々に迎えられ、マスコット人形のプレゼントもいただく。旅の途中もそうであったが、たくさんの人たちに支えられた旅だったなぁ、とあらためて感謝の思いが湧きあがる。
 取材に来た新聞記者から「次なる旅の目標は?」ときかれたけれど、今のところ予定もない。とりあえず3年間の疲れをいやしてのんびりと過ごし、新たな挑戦についてゆっくり考えてみたい。子どもと一緒というのはもう無理だろうから、夫婦で楽しめる旅を考えていかなければならない、と話し合っているところである。

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